薬剤師を志す人には関心する

私は学生時代がっつり文系の道へ進みましたが、塾でアルバイトをしていた時、薬剤師になりたいと言う子は何人かいました。そうすると物理よりも生物を選択するようで、高校生は夢に向けて励んでいました。私が大学を選んだように、彼らも何故薬剤師になろうと思ったのか理由があるはずで、それが気になったのでちょっと聞いてみると、しっかりとした考えが聞けました。

1人の子は、お母さんが薬剤師だからもともと興味を持っていたことと、医師になるのには自信がないが、薬剤師なら患者さんの相談にもっとのってあげられるかもしれないから、という趣旨のことを話していました。もう1人は将来設計がしっかりしているのか、医療業界はこれからの高齢化がもっと進むと食いっぱぐれがないからという理由でした。

それぞれ思うところがあるんだなぁ。薬剤師に向けて大学を選ぶとかなり限られるので、やはり並大抵の覚悟では行かないと思うのです。中にはやりたいことが大学入学までに見つからなくて、とりあえずどの職場にも行けそうな学部に落ち着いたという人もいれば、遊びたいからという理由で大学進学を決める人もいます。

それを思うと、医療系の大学や学部に入ってやっていこうという思いには感心します。特に私がそう思わなかったこともあり、余計にそう思うのかもしれません。

私は薬剤師という道に関心はなく、当時はやりたいことが1つ明確にあったのでただひたすらにその道をつっぱしっていました。もし薬剤師はどうかと勧められたとしても、きっと断っていたでしょう。自分が薬を飲んでいて病気で苦しいのを知っているからこそ、そういう人たちから目をそらしたかったのです。

普通、自分が病気だから医師になってたくさんの人を助けたい、という方向に気持ちが向くのかもしれませんが、私は逆でした。自分が苦しさや辛さを知ってしまっているから、同じような人たちのことを見るのが辛いのです。私はその辛さからは逃げました。なったらなったで慣れるのでしょうけれど、その慣れも怖いのです。

慣れてしまって人の辛さがわからない人間になるのは嫌です。人と症状を比べて自分はマシだと思ってしまう自分がいるような気もして、それは辞めようと思いました。わかっているからこそ相手のこともわかりそうではありますが、きっと身が持ちません。

そう思うと、薬剤師には私なんかより塾にいた彼らの方がよっぽど向いていると思います。立派な人の心がわかる薬剤師になってくれればと願います。


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